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CO₂インキュベーターは一般的に、37℃の温度制御、5%CO₂濃度制御に加えて、培地の乾燥を防ぐため、庫内の湿度が飽和に近い状態で運用します。
一般的には、シャーレやTフラスコを入れて使用しますが、スケールアップや効率的な培養のため、シェーカーやスターラーなどの各種装置を入れて使用する場合があります。
ただし、庫内の環境は高湿のため、装置を中にいれる場合、その装置は耐湿性を有していることが必須となります。耐湿性のない装置を庫内へ入れると、漏電、故障につながりますので、絶対にお止めください。
CO₂インキュベーターで培養する動物細胞には、浮遊細胞と接着細胞があります。小スケールでは、どちらも専用容器のみでCO₂インキュベーターの棚に置く静置培養で行いますが、スケールアップの際には専用の培養装置が必要となります。
弊社では、浮遊、付着どちらの細胞にも対応できる各種培養装置を取り扱っております。
本項目では、浮遊細胞培養のための加湿対応装置についてご紹介いたします。
利点:古くから実績のある方法で、スケールアップを検討しやすい
欠点:煩雑
利点:ディスポの三角フラスコの登場で哺乳類の細胞培養が便利に。非常に簡単
欠点:スケールアップしにくい
低速域から高速域まで、培養方法に合わせた回転数を設定できます。再現性の高い培養を実現する最新のスターラーです。
詳細は製品ページからご確認ください。
弊社では攪拌培養に確かな実績を持つ、Chemglass社のガラス製スピンナーフラスコを取り扱っております。
Chemglass社のスピンナーフラスコは下記のような特長を有しています。
詳細は製品ページをご覧ください。
本製品は加湿対応、低振動、静音設計で、インキュベーター内での攪拌培養に最適なシェーカーです。
詳しくは製品ページからご確認ください。
接着系細胞の培養スケールは、培養面の表面積に依存しますので、スケールアップするには表面積を増やす方法しかありません。
本項目では、培養面に接着して増殖する、接着系細胞の培養にお使いいただける加湿対応装置の他、ローラーボトルや高密度培養システムの特長についてご紹介いたします。
利点:細胞を液相と気相に交互に移動させることで、効率の良いガス交換が可能
欠点:スケールアップしにくい(ボトル本数を増やす必要がある)
利点:超高密度培養が可能で、分泌物の生産に最適
欠点:細胞を回収しにくく、回収率が低い
RemoteRollは、加湿環境下で使用することを前提として設計された、加湿対応の回転培養装置です。
165~180Lサイズの標準的なインキュベーターの棚板にマッチします。
詳細は製品ページをご覧ください。
一方、ローラーボトルでは、下図のようにボトルを回転させて培養するため、ボトル側面全体(ピンクの部分)が培養面となります。
また、細胞を液相と気相に交互に通過させることで、効率の良いエネルギー・ガス交換が可能です。
ESCO Bioengineering社 BelloCell 高密度培養システム は、今までに類を見ない画期的なディスクベッドとエアレーションシステムにより、高密度培養を極めて簡単に実現します。モノクローナル抗体や組換え蛋白質、膜蛋白質、ウイルスなどの生産スケールへの移行、大量スケールへの移行をご検討の方に最適です。
詳細は製品ページをご覧ください。
BelloCell高密度培養システムの利点BelloCellの培養原理はローラーボトル培養と同じですが、細胞接着部が固定されており、細胞にとっては非常に良い環境を提供します。下図のように、ローラーボトルは足場が回転するため、飽和時には回転の振動で細胞が足場から剥がれやすくなります。一方、BelloCellは培地のみが動くため、細胞に与えるシェアストレスが最小限です。
また、BelloCell1本あたりに含まれる5.5gのBioNOCⅡマイクロキャリアは、T25フラスコ1,000個分に相当する表面積を有しています。
前項でも記載した通り、ローラーボトル、BelloCell高密度培養システムを利用することで、培養スケールを大きくすることが可能です。
下表は、10cmディシュや、T75フラスコ等と、ローラーボトル、BelloCellの表面積や、培養可能な細胞数を比較したものです。
ディッシュやフラスコと比較し、ローラーボトル、BelloCellは極めて大きな培養表面積であることがわかります。
種類 | 10cmディッシュ | T75フラスコ | T175フラスコ | ローラーボトル | BelloCell |
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培養表面積(㎠) | 55 | 75 | 175 | 850~1,750 | 8,640 |
*細胞数(個) | 2.2×10⁶ | 8.4×10⁶ | 18.4×10⁶ | 7.0×10⁷~2×10⁸ | 2~4×10⁹ |
培地量(mL) | 10 | 8~15 | 15~30 | 200~400 | 500~2,000 |
*HeLA細胞