ピペット・ピペットチップ

ピペットの洗浄(RAININ)

ピペットはこまめに洗浄していますか?
日常的なピペットのメンテナンスは重要です。ピペットを洗浄することで、機器やサンプルが汚染されないように維持することができます。
洗浄に関しての簡単なコツを以下にお示しします。

ピペット外部の基本的な洗浄

  • 10%の漂白液、または60%のイソプロピルアルコール、または洗浄液で湿らせた非摩耗性の布を使用して、ピペット外部を拭きます。
  • 歯ブラシでこびりついた不純物を軽く擦ります。
  • 実験器具用の洗浄剤をご使用ください。濃縮液として販売されている場合は、メーカー推奨濃度に薄めます。
  • 容量表示窓に注意してご使用ください。過剰な液体により画面が曇ったり汚れたりする可能性があり、交換が必要になる場合があります。
  • 水または蒸留水を使い、非摩耗性の布を湿らせ、ピペットを拭きます。

汚染除去方法(シングルチャンネルピペットのみ)

ピペットの汚染除去により、信頼できる実験結果が得られますが、不適切に行われた場合、ピペットのパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。以下の手順を実行するときは、十分注意してください。


洗浄する部品
レイニンのシャフトとチップイジェクターはオートクレーブが可能です。
XLS+モデルはピストン部品もオートクレーブが可能です。

洗浄しない部品

※ピストンを分解し、洗浄することは推奨していません。部品の誤った組み立てまたは誤った潤滑剤の使用は、ピペットのパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。

サンプル 洗浄剤 対応
DNA、RNA 10%の漂白液またはDNA/RNA用洗浄剤 10分間浸します。蒸留水ですすぎます。イソプロピルアルコールで拭き、自然乾燥させます。
タンパク質 10%の漂白液または洗浄剤(アルコールは使用しないでください)。 10分間浸します。蒸留水ですすぎ、自然乾燥させます。
RNase RNase汚染除去液(RNaseAway、RNaseZap)または95%エタノール
に続いて3%過酸化水素
RNase汚染除去液に1分間浸した後、蒸留水ですすぎ、自然乾燥させます。または、95%エタノールに短時間浸した後、3%過酸化水素水に10分間浸します。すすいで、自然乾燥させます。
水溶液 洗浄溶液または70%のエタノール 5分間浸します。蒸留水ですすいだ後、イソプロピルアルコールで拭き、自然乾燥させます。
有機溶媒 洗浄溶液 5分間浸します。蒸留水ですすぎ、自然乾燥させます。
放射性サンプル 高強度放射性汚染物質の除去剤(COUNT-OFF表面用洗剤、Decon 90洗浄剤) 5分間浸します。蒸留水で3回すすぎます。ガイガーカウンターで放射線量を測定します。所属組織で規定された放射性物質安全ガイドラインに従って、手袋、液体、およびすべての洗浄器具を適切に廃棄します。

注意:レイニンのシャフトとチップイジェクターはオートクレーブが可能です。XLS+モデルはピストン部品もオートクレーブが可能です。洗浄剤、特に漂白液を使用するときは、必ず入念にすすいでください。

RNase AWAYとRNaseZapはThermo Fisher Scientificの商標です。COUNT-OFFはPerkinElmer Inc.の商標です。Decon 90はDecon Laboratories Limitedの商標です。


ピペットが汚れるのを防ぐ・きれいに保つために

以下のものを使用・準備することで、よりクリーンなピペットを維持することができます。
ぜひご検討ください。

Rainin、GPP、シャフトガード、XLS、およびXLS+は、Mettler-Toledo Rainin, LLCの商標です。

ポスターデータ配布


これらピペットのテクニックをまとめたA2サイズのポスターデータ(pdf)が、メトラートレド社HPからダウンロードできます。
ぜひご利用ください。