ピペット・ピペットチップ

天びんを用いたピペットの点検方法(RAININ)

お使いのピペットは仕様/スペックの許容範囲内で機能していますか?
わずか数分間のチェックで、データの完全性を確認し、全体的なリスクを削減することができます。
このチェックポスターをご確認いただき、電子天びんと容器、脱イオン水/蒸留水を使って、通気、直射日光、振動のない作業エリアで、ほとんどのピペットの正確度・精度を検査することができます。
ぜひお使いのピペットの性能チェックにお役立てください。

準備物

  • 点検するマイクロピペット
  • ピペットチップ
  • 電子天びん(ピペットが100uLより大きい容量:小数点以下5桁表示、100uL以下の容量:小数点以下6桁)
  • チューブ(脱イオン水入り)
  • ビーカーなどの小さな容器
  • 記録するもの(メモ用紙・ペンなど)

点検方法

1.ピペットの準備


天びんに容器を設置して風袋引きをしたあと、ピペットをそのピペットの容量の100%に設定して、メーカー推奨のチップを取り付けます。


2.プレリンス


脱イオン水の吸引と吐出を3回繰り返してチップをプレリンスします。


3.水の吸引

ピペットを垂直に持ち、チップを適切な深さまで挿入して、脱イオン水を吸引します。


4.水の吐出


慎重に移動し、ピペットを天びん上の容器の上に移動させ、水を吐出します。チップを容器の側壁に添わせて最後の一滴まで吐出します。


5.容量の記録


蒸発の影響を避けるために、天びんの表示値が安定したらすぐに、水の質量をミリグラム単位で記録します。


6.繰り返し


同じチップを使用して、プロセスを3回繰り返し、それぞれの質量を記録します。


7.イジェクト


最後の吐出が終わったらチップを取り外します。


8.繰り返し


ピペットを容量の50%に設定して新しいチップを3回プレリンスして手順3-7を繰り返します。


9.収集データの計算


収集したデータから、ピペットの平均量、正確度(平均誤差)、および精度(標準偏差) を計算できます。


10.比較

ご自身の結果をメーカーの仕様と比較します。

  • 容量(mLで表記)
  • 平均体積(μLで表記)
  • Z係数の補正した平均重量結果。

  • 正確度(μLで表記)
  • 平均誤差とは実際の測定の平均容量とピペットの容量設定で、指定される真の値との違い。

  • 精密度
  • 標準偏差はランダムエラーによる拡散の度合いを定量化したもの。

結果が仕様と一致しない場合は、ピペットのサービスまたは校正が必要です。

メーカーサイトへ

Rainin Quick Check Worksheet をご利用ください


参考:正確度と精密度とは

正確度とは?
※精度、Accuracy、Systematic Error と表現するメーカーもあります。
正確さのことで「真の値に近い結果を得ることができるか」という計測機器の能力のことを言います。 
「繰り返しピペッティングされた液体の平均値」、ピペットのマイクロメーター上に表示される「容量の数値」および、メーカースペックの「正確性」のことです。
「繰り返しピペッティングされた液体の平均値」が、ISO8655 スペックおよびメーカースペック に近いほど「正確である」と言えます。
精密度とは?
※再現度、Random Error と表現するメーカーもあります。
繰り返しの精密度のことで「近接した結果を得ることができるか」という計測機器の能力を言います。 
精密度とは、繰り返し得られた多くの測定値の変動性 に関する数的評価のこと、標準偏差または変動係数と表現されます。
こちらもISO8655 スペックおよびメーカースペックの精密度が存在します。

正確でも精密でもない  精密だが正確ではない  正確かつ精密

製品紹介

SmartCheck 卓上型ピペット簡易検査機器
SmartCheck は、ピペットが正確に分注されていることを迅速に確認する実用的な装置です。操作は非常に簡単で、開口部に脱イオン水を1回分注すると、SmartCheckが自動的にテスト容量を検出し、同じ容量を3回分注するように使用者に促します。最初の分注から最後の分注まで60秒以内に合格か不合格かをインジケーターで示します。天秤を使用した検査まで必要なく、簡易にピペットを検査したいという場合に最適です。始業前チェック、ピペットセルフメンテナンス後のチェック、天秤を用いたピペットメーカーまたは研究室内ピペットバリデーションの補完ツールとして最適です。


ポスターデータ配布


これらピペットのテクニックをまとめたポスターデータ(pdf)が、メトラートレド社HPからダウンロードできます。
ぜひご利用ください。