製品紹介

融解後細胞生存率を改善する最適な凍結保存方法とは

融解後細胞生存率を改善する最適な凍結保存方法とは

細胞治療の原料は、血液や骨髄、組織などの生物由来材料です。これらの生物由来材料から得られた細胞は、Bioproduction Lifecycle(バイオ技術を用いて製品を製造する一連のプロセス)を通して、生存率を維持するために特殊なプロセスや温度変動からの保護が必要になることがあります。

これらのプロセスのうちの一つが、凍結保存、または低温や超低温下で生物由来材料を凍結するプロセスです。低温下では、生物材料にダメージを与える可能性がある細胞の代謝活動が停止し、また、効率的に凍結保存のプロセスを実施すれば、融解後の細胞生存率が上がり、機能も保たれます。

凍結保存プロセスは、研究者や製造者から後回しで考えられていることが多いのが現状です。従来の凍結保存方法では、細胞へ大きなダメージを与えたり、細胞のロスに繋がることがあり、プロセスを終える時点での収量の少なさから、大量の細胞が必要になる場合があります。

一般的な凍結保存ステップ

  • 凍結保存液を準備する
  • 細胞に凍結保存液を加える
  • サンプルを凍結する
  • 凍結サンプルを保存する
  • サンプルを融解する
  • サンプルを希釈・洗浄する
  • サンプルの収量、生存率を評価する

BioLife Solutions社は、これらバイオ保存プロセスを専門にしています。同社の豊富な経験や優れた技術により、融解後の細胞(組織)の生存率や機能を大きく改善することができます。BioLife Solutions社が実施した研究により、最適な保存方法を考慮して行った手法の開発が、細胞医薬品に対しメリットをもたらすことが分かりました。凍結保存方法についてよく考慮することで、融解後の細胞の生存率や機能を改善することができます。以下に、凍結保存製品の細胞生存率を最大限にするための、幾つかの考え方を挙げています。

収量の最適化

  1. 細胞凍結保存液:
    培養液を、細胞内様液であるCryoStorシリーズ(浸透圧/膠質浸透圧試薬、フリーラジカルスカベンジャー、アポトーシスを抑えるためのエネルギーソースを含む)と置換することにより、融解後の細胞生存率を最大限に引き上げます。
  2. 細胞に合わせたDMSO濃度:
    10%のDMSOは、どんな細胞にも適しているというわけではありません。BioLife Solutions社は濃度の異なるCryoStor CS10/CS5/CS2を提供しています。また、DMSOを含まないCryoStore CSBも販売しており、他のDMSOを含むCryoStoreと組み合わせて使用することで、より細かくDMSOの濃度を調整することもできます。
  3. 凍結前サンプルの保持時間:
    凍結前の細胞の保持時間です。この時間を最適化する必要があります。
  4. コントロールレート凍結:
    過冷却および細胞内での氷晶形成を軽減し、サンプルの一貫性を向上するため、コントロール冷却にて、氷核形成のためのシーディング剤を添加したり、人為的な氷核形成を行う。
  5. 融解後のサンプル保持時間:
    氷が液体に変化する相転移後の取り扱いや時間が細胞に影響を与えることがあります。
  6. 融解後サンプルの分析:
    融解後すぐに分析を行うと、細胞の特性評価の結果が不正確になったり、不完全になることがあります。融解後、24時間~72時間の間の複数ポイントにて、複数のアッセイを行うと、よりしっかりと特性評価を行うことができます。

CryoStorのその他のメリット

  • CryoStorは、複数年に渡って安定なUSP/各試験適合原料を使用してcGMP環境にて製造されています。また、一貫して高品質な製品を流通するため、BioLife Solutions社の品質マネジメントシステムに従って管理されています。
  • CryoStorシリーズは予め2%、5%、10%の製品をご用意しています。細胞に合わせて、適切な濃度のものを使用することで、最適な生存率や機能を確保できます。
  • CryoStorには血清やタンパク質が含まれていません。
  • CryoStorは、様々な容量や容器で製品をご用意しています。これにより、顧客それぞれのプロセスの要件に応じて、スケールアップにも対応できます。

BioLife Solutions社は凍結保存における最良の方法についてのアプローチを推進しています。CryoStorは、様々なアプリケーションに対応する製品です。製品の詳細についてはページ下部のリンクボタンから御覧ください。

参考資料

  1. Clarke, D. M. (2009). Optimizing biopreservation yield. Biopreservation Today. Retrieved 2023, from https://www.biolifesolutions.com/wp-content/uploads/2022/11/BPT-Winter_2009.pdf.
  2. Hawkins, B. J., & Abazari, A. (2015). Cellular immunotherapies: critical biopreservation considerations . Biopreservation Today . Retrieved 2023, from https://www.biolifesolutions.com/wp-content/uploads/2022/11/BPT-Winter_2015.pdf.
  3. Weaver, M. (2018). BioLife technology vs. homebrew cryopreservation media. Biopreservation Today. Retrieved 2023, from https://www.biolifesolutions.com/wp-content/uploads/2022/11/BPT-Spring-2018-WEB.pdf.

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