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科学的研究や医療のために、ラボや医療施設、またその他様々な状況では日常的にバイオハザード物質が使用されています。しかし、そういった物質に関連する潜在的なリスクは、決して軽視することはできません。それらの物質を誤ってこぼしてしまった場合、速やかに、かつ適切に処理しなければ、環境や健康に対し大きな被害を及ぼす可能性があります。そのため、バイオハザード物質漏洩時に人員や環境の安全を保護するためのプロトコル、つまり物質漏洩時の対処法をまとめておくことが重要です。この記事では、バイオハザード物質漏洩時の対処法の重要性や、キーとなる内容のほか、バイオハザード物質漏洩を抑える方法や効率的に管理する方法を説明しています。
研究技術者、医療従事者者、またそれ以外の職種でバイオハザード物質の漏洩管理を知りたい人にとって、この情報は健康や安全の保護に重要です。
バイオハザード物質を扱うエリアには、バイオハザード物質が漏洩した場合にすぐに使えるよう処理キットを備えましょう。これらのキットには漏洩物質を封じ込めるためのアイテムや保護具を入れておきます。また、内容物は物質やエリアごとの要求事項に合わせてカスタマイズしてください。これらのキットはすぐに使用できる場所に設置し、また各人員に対し、場所と使い方を予め周知しておきます。
注記:消耗品は適切なものを選択してください。また、汚染物に直接触れるものはバイオハザード汚染物質として取り扱ってください。
漏出インシデントにおける潜在的なリスクを管理する上で、漏出物に関するリスクアセスメントを行うことが重要です。この項目では、リスクアセスメントを行う際の一般的な方法をお示ししています。
ガイドラインは、漏出したバイオハザード物質を素早く、効果的に、かつ安全に処理する方法を示す重要な指針です。ガイドラインには、予防や封じ込めのほか、適切な廃棄方法やリスクアセスメントに至るまでの様々な重要な情報が含まれます。
血液やその他有機物が多く含まれる物質、感染性微生物が少量含まれる物質を処理する際は次の手順で行います。
安全キャビネット外で漏出が起こった場合は、エアロゾルが発生するため、より危険な状態になります。処理の方法や安全のための予防の程度については、漏出物のバイオハザードリスク分類により異なります。
漏出物がBSL 1 の場合
漏出物がBSL 2 の場合
生物学的物質が漏出した場合の効率的な封じ込めや管理には、予防や迅速かつ組織的な対応、定められた手順やルールに従うことが必要です。これらの方法を実行することで、ヒトの健康や環境への被害の可能性を最小限に抑えることができ、また、漏出い伴うリスクを効果的に管理することができます。
University of Toronto Environmental Health and Safety. (n.d.). Biological Spills.
https://ehs.utoronto.ca/ourservices/biosafety/biological-spills/
University of Pittsburgh Environmental Health and Safety. (n.d.). Biological Spills.
https://www.ehs.pitt.edu/biological-spill#:~:text=Minor%20Biological%20Spills,Alert%20people%20in&text=Remove%20and%20disinfect%20any%20material,equipment%20for%20the%20cleanup%20operation.
本記事は、ESCO社の作成した記事 "Biohazard Spill Management: Ensuring Safety First" (クリックすると外部サイトへ移動します)を、ESCO社の許諾を得てワケンビーテック株式会社が日本語に翻訳したものです。英語原文と日本語訳の間に内容の相違がある場合は英語原文の内容が優先します。