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生存率、細胞増殖および形態は、細胞の特性を決定するための主な指標となります
セルカウントは、以下に示すように、様々な意図により行われます。
セルカウントは1950年頃までは主に血球計算盤によるマニュアルカウントでしたが、1950年台にW.H.Coulter博士が、電気抵抗を利用する粒子の測定原理を元にしたコールターカウンターの開発に成功したことで、自動カウントの歴史が始まりました。コールターカウンターは従来のマニュアル法よりも早い計測スピードと精度により高く評価されました。
1960年代後半にレーザー光の散乱を利用したフローサイトメトリーが開発されました。フローサイトメトリーは、蛍光標識した対象物の蛍光を検出することが可能なため、現在では分子生物学分野だけでなく、医学分野などでも用いられています。
1990年代には、イメージャーを利用した自動セルカウント装置が登場しました。イメージャーを利用する装置は比較的安価なことや、コンパクトであること、メンテナンスが容易であることなどから、イメージャーのセルカウンターを選ばれるケースも増えています。
~1950
現在でもマニュアルカウントに使用されています。
1950
カウントおよびサイジングの自動分析装置。最近では検査装置として使用されています。
1960
コンピューターでの測定および分析を行う装置です。
1990~
正確な細胞数と生存率を提供するイメージャーのセルカウンターが発売
血球計算盤は、フランスの医師、Louis-Charles Malassez氏によって発明されました。
英語のHemocytometerは=“Hemo”(Blood) + Cytometer (Device to measure cells)の意味で、チャンバーを作ることができる長方形の切れ込みがあるガラスの顕微鏡用スライドを指しています。
血球計算盤はマニュアルカウントに使用され、その特長は以下の通りです。
実際のマニュアルカウントは以下の手順により行います。
マニュアルカウントで生存率を算出するため、トリパンブルーによる染色が用いられます。
死んだ細胞の細胞膜は透過性が高くなっており、図のようにトリパンブルーが内部に進入し青く染色されます。
青く染まった細胞=死細胞として、生細胞の数および細胞の全数をカウントし、細胞の状態を評価するために、生存率を算出します。
生存率(%)は下記の式で表される。
生存率(%)=生細胞数/全細胞数×100
現時点(2019年6月)において、自動セルカウント装置は、その原理に基づいて以下の3種類に分類されます。
▶ メリット :測定が早い、正確性が高い、コストが低い
▶ デメリット:有用性が低い(カウントおよびサイズ特定のみ)、細胞と同等のサイズを持つ他の粒子との見分けがつかない
▶ メリット :高感度、高精度、蛍光に対応
▶ デメリット:高価、高圧による細胞へのダメージ、メンテナンス
顕微鏡操作を自動化
細胞測定のプロセス:スライドに細胞懸濁液を注入し、イメージャーベースのセルカウンターにセットするだけ
自動セルカウントとマニュアルカウントのメリットとデメリット
メリット・デメリット | マニュアルカウント | 自動カウント |
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メリット |
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デメリット |
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マニュアルカウントの問題は自動化により改善できます
マニュアルカウントの問題 | 自動セルカウントによる解決策 |
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時間の消費 | 時間と労力の節約 |
ヒトによる細胞認識の違い・ヒューマンエラー | 再現性の向上、ヒューマンエラーの低減 |
サンプリング・計測エラー | 最小限の計測エラー |
サンプリング容量・ピペッティングのエラー | 最小限のサンプリングエラー |
バイオハザード | 安全性の向上 |
高濃度サンプルの計測 | 高濃度サンプルの計測が可能 |
イメージャー型のセルカウンターは以下のような特長があります。コスト面やサイズ面、機能を兼ね備え、使用方法も簡単なイメージャー型のセルカウンターは、初めてセルカウンターを導入する方にもおすすめできる装置です。
弊社は2019年4月1日(月)に自動セルカウンターFACSCOPE Bを発売いたしました。
FACSCOPE B は、全自動のステージ、オートフォーカス、画像処理技術を搭載した自動セルカウンターで、迅速に画像を取得し、高機能アルゴリズムによる優れた画像識別技術で正確な細胞計測結果を提供します。
専用のディスポーザブル細胞計数盤 FACSCOPE Slideには、改良ノイバウエルパターンが刻まれており、マニュアルカウントにも対応しています。
同時計数サンプルは4チャンネル/枚、専用試薬も不要で、コスト削減にも貢献します。
詳しくは下記リンクからご覧ください。