アプリケーションノート自動ライブセルイメージングシステム

技術資料:Curiosis社Celloger Mini Plusによる 細胞の長時間(72時間)タイムラプス撮影

Curiosis社Celloger Mini Plusによる
細胞の長時間(72時間)タイムラプス撮影

~CHO細胞を用いたwound-healingアッセイのデモンストレーション~

ワケンビーテック株式会社

目 的

Curiosis社ライブセルイメージングシステムCelloger Mini Plusを用いて、CO2インキュベーター内での長時間(72時間)の細胞タイムラプス撮影と解析が問題なく実行可能か確認するため、CHO細胞を用いたwound-healing(創傷治癒)アッセイのデモンストレーションを実施した。

方 法

1) 材料


細胞名 :CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)
培地 :Ham's F-12 with L-Glutamine and Phenol Red
 (富士フイルム和光純薬株式会社, #087-08335)with 10% fetal bovine serum
細胞培養容器 :接着細胞培養用マルチプレート6F 独立ウェルタイプ(住友ベークライト社, #ib81176)
wound-healingアッセイ用ツール :Culture-Insert 2 Well in μ-Dish 35 mm(ibidi社, #ib81176)


Culture-Insert 2 Well in μ-Dish 35mm(ibidi社, #ib81176)
インサートを取り除くと500μm±50μmのギャップが作成される。


2) CO2インキュベーター内でのタイムラプス撮影

CO2インキュベーター :HERAcell 150i (ThermoScientific社, #51032873)
撮影装置 :Celloger Mini Plus(Curiosis社, #CRCLG-MPBG04)
撮影条件 :明視野にて1時間間隔で72時間撮影
画像解析ツール Celloger Mini Plus Analysis App(付属ソフトウェア)
CO2インキュベーター(HERAcell 150i)庫内に設置したCelloger Mini Plus

3) プロトコール

  1. Culture-Insertをディッシュから取り出し、6ウェルマルチプレートのA1ウェル中央にセット
  2. 3×106 cells/mLの細胞懸濁液をCulture-Insertの各ウェルに20 μL/wellで播種
  3. CO2インキュベーターで24時間培養した後、Culture-Insertを外す
  4. A1ウェルに培地 1mLを添加
  5. 撮影開始の30分以上前にCelloger Mini Plus装置本体をCO2インキュベーター内にセット
  6. 必要なセッティング後、タイムラプス撮影を実施
  7. Celloger Mini Plus付属ソフトウェアを用い、取得した画像データから解析を実施

結 果

デモンストレーションは問題なく実行され、想定どおりの結果データを得ることが出来たことから、Celloger Mini Plus はCO2インキュベーター内での72時間のタイムラプス撮影によるwound-healing アッセイにも有効に使用できることが確認された。
72時間の撮影中、CO2インキュベーターの庫内温度は、庫内に設置されたCelloger Mini Plus の影響を受けることなく、設定温度どおりに37℃でコントロールされた。
また、Celloger Mini Plus にセットされたマルチウェルプレートのフタへの結露なども発生しなかった。

1) 取得した画像データおよび解析後の画像データ

0 hr 24 hr 48 hr 72 hr

2) 解析データ

付属ソフトウェアで解析されたConfluency(%)データからwound closure rate(%)を算出した。今回の条件では、CHO細胞のwound closure rate(%) は、4~42時間で直線的に上昇し、52時間後に99.0%に到達した。