蛋白質構造解析

バックグラウンドゼロ!蛋白質構造解析の必須ツール ~ Litholoops(リソループ)

まだナイロンループをお使いですか?

X線回折装置を使用して、蛋白質結晶を測定をする際、従来はナイロン製ループが用いられてきました。弊社の販売するLithoLoops(リソループ)は、半導体製造技術を応用したまったく新しいタイプのループデバイスで、機能面・性能面・価格面において従来品よりも多くのアドバンテージを持っています。

Litholoops拡大図

バックグラウンドゼロ

Litholoopsは、液状の感光性樹脂を基板上に薄く塗布した後、ホトリソグラフ法によりパターンを形成しています。この方法では素材が非晶質になるため、繊維構造に起因するバックグランドノイズは発生しません。また、素材であるポリイミドの疎水性はナイロンに較べて低いため、ループアウト時の母液量が少なく、母液からのバックグラウンドを低減できます。

従来型
新型Litholoops
Courtesy of Dr. Didier NURIZZO, Macromolecular Crystallography Group, ESRF, Francea

構造的利点

ループとネック、ステム部が一体構造をしており、十分な機械的強度を有しています。これによりクライオストリーム下での回折測定中に曲がったり、振動したりしません。また、ナイロンループでは作製が難しい極小径ループや、任意の形状が高精度で作製可能で、微小結晶や柱状結晶のマウントに最適です。

ピン付Litholoop
ピン付Litholoop
ピン付Litholoop(メッシュタイプ)
Litholoop(1.0mmφ)
Litholoop(0.2mmφ)
Litholoop(柱状結晶用)
Litholoop(メッシュタイプ)

その他の特長

  • 一般な結晶化試薬に含まれる酸、アルカリ、無機塩、有機溶媒に対して優れた耐薬品性を有しています。
  • ループ本体にループサイズを印字しているため、ループの識別が容易です。
  • 蛍光LithoLoops 本体からは蛍光を発しないため、蛋白結晶からの蛍光観察が可能になる。

 

【クライオストリーム下でのループの振動測定】
新LithoLoopsに0.2mm角のSi片をマウントし窒素気流はループの正面から当てる。
1°/secで結晶を回転しSi(220)からの反射を測定
Oxford Cryosystems Cryostream 600
(flow rate 5L/min,shield gas 7L/min at 100K).
左から右へクライオトリームの強度が上がってゆく。
回折ピークの半値幅に変化が無く振動が発生していないことがわかる。
Courtesy of Dr. R. W. Alkire, Dr. N. E. C. Duke and Dr. F. J. Rotella
Structural Biology Center, Biosciences Division, Argonne National Laboratory

 

【UVレーザー照射下での蛋白質結晶の自動マウント法】
UVレーザー照射/X線回折系
LithoLoopsを用いた蛋白結晶の観察例

(a) 可視光下       (b) UV レーザー照射下

可視光下では結晶の位置(赤丸印)が判りづらいが、UVレーザー照射下では結晶の位置が明確になる

Courtesy of Dr. D. Bourgeois, ESRF, France

 

【UVレーザー照射時の空のループからの蛍光観察結果】

(a) ナイロンループ             (b)LithoLoops
LithoLoops 本体からは蛍光を発しないため、蛋白結晶からの蛍光観察が可能になる