製品紹介

Cytek Biosciences製 フローサイトメーター(Aurora / Northern Lights)の特長

INDEX

  1. はじめに: Cytek フローサイトメーターで柔軟なアプリケーションを
  2. 微小粒子の検出 (Aurora / Northern Lights共通)
  3. 自家蛍光差分による解像度の向上 (Aurora / Northern Lights共通)
  4. 近似波長蛍光色素、蛍光蛋白質の識別 (Aurora / Northern Lights共通)
  5. UVレーザー搭載で更なる領域へ (Auroraのみ)
  6. ブルーレーザー励起9色パネル (Northern Lightsのみ)
  7. 3レーザーで24色パネル実験が可能 (Aurora / Northern Lights共通)
  8. A New Reality: 3レーザー、24色による高解像度解析 (Aurora / Northern Lights共通)
  9. プレートローダー (Aurora / Northern Lights共通)
  10. ソフトウェア (Aurora / Northern Lights共通)

はじめに: Cytek フローサイトメーターで柔軟なアプリケーションを

Aurora

Auroraの革新的なテクノロジーは数多くのアプリケーションを実行可能にします。100mWの405nmレーザーと高感度バイオレットサイドスキャッター検出器によって、200nmに迫る粒子分解能をもたらします。Auroraを使用することで多彩な微小粒子解析アプリケーションが実行可能となります。

Northern Lights

Cytek社のフローサイトメーター、Northern Lightsは、革新的な技術により、通常ははるかに高額なシステムでのみ可能な機能が使用できます。100mWの405nmレーザー搭載システム(構成によっては非搭載)では、高感度のバイオレットサイドスキャッター検出器を搭載しており、100nmに近いサイズの粒子を分析することができます。Northern Lightsは、様々な微小粒子アプリケーションへの扉を開きます。
ソフトウェアの自家蛍光抽出ツールは、高い自家蛍光を持つサンプルを含む困難なアプリケーションに新たなレベルの分解能をもたらします。

微小粒子の検出 (Aurora / Northern Lights共通)

例1. ViroFlow

外被糖タンパク質にsuperfolder GFP (sfGFP)を発現するように遺伝子操作したマウス白血病ウイルス (MLV-124 nm ±14 nm) を測定した例です。

  1. Bufferのみ
  2. MLV with no sfGFP (MV-M-Zero)
  3. MLV with sfGFP (MV-M-sfGFP)

すべてのサンプルは3レーザーAuroraで測定し、violet SSC でスレッシュホールドを掛けています。
ViroFlow Technologies (www.viroflowtechnologies.com)が供給するウイルスを使用しました。
データ解析にはDe Novo™ Software社製FCS Express 6を用いました。


例2. ApogeeMix

1300nmから110nmのビーズ混合体であるApogeeMix(Apogee Flow Systems)をAuroraで測定した例です。最小サイズの粒子もバックグラウンドより高く容易に識別可能です。

データ解析にはDe Novo™ Software社製FCS Express 6を用いました。

自家蛍光差分による解像度の向上 (Aurora / Northern Lights共通)

ソフトウェアの自家蛍光抽出ツールは、高い自家蛍光を持つサンプルを含む困難なアプリケーションに新たなレベルの分解能をもたらします。

例1. PrimeFlow™ RNA Assay

ヒトU937細胞を用いたPrimeFlow™ RNAアッセイを実施しました。 Alexa Fluor® 488によりラベリングしたHMBS mRNAをNorthern Lightsで測定し、低発現(10コピー以下/細胞)の検出性をSpectroFlo®ソフトウェアによる自家蛍光差分無しと有りのデータ間で比較しました。

未染色とAlexa Fluor® 488染色細胞をNorthern Lightsで測定したスペクトラムプロット。2つのスペクトラムは酷似していることがわかります。
HMBS RNAで染色した細胞と未染色の細胞を混合し、蛍光シグナルを測定。自家蛍光が高いため、ポジティブとネガティブシグナルを判別できません(上図)。
自家蛍光差分を実行することで解像度があがり、2つの細胞分画を判別可能となりました(下図)。*PrimeFlow™はThermo Fisher Scientificの商標です。

例2: mCherry発現HeLa細胞

CRISPR-Cas9でmCherryレポーターを形質転換したHeLa細胞を測定しました。ノックインした内在性プロモーターにより、mCherryは発現します。蛍光タンパク質の導入細胞はCRISPR-Cas9処理32時間後に4レーザーのAuroraを用い測定しました。自家蛍光の差分機能を使用することで解像度が向上しています。
サンプル提供元 Malte Paulsen, Flow Cytometry and Cell Sorting Facility, EMBL

mCherry陰性細胞と陽性細胞をAuroraで測定したスペクトラムプロット。2つのスペクトラムは酷似していることがわかります。
mCherry陰性細胞と陽性細胞を混合し、蛍光シグナルを測定しました。自家蛍光が高いため、陰性細胞と陽性細胞を判別できません(左図)。自家蛍光差分を実行することで解像度があがり、2つの細胞分画を判別可能となりました(右図)。

近似波長蛍光色素、蛍光蛋白質の識別 (Aurora / Northern Lights共通)

いくつかの蛍光タンパク質や蛍光色素の組み合わせでは蛍光スペクトラムのオーバーラップが大きいため(Figure 1, 4, 7, 10)、従来のフローサイトメトリー技術では識別が困難です。Aurora/Northern Lightsは全レーザーの全蛍光波⻑スペクトラムシグネチャーを利用することでこの問題を解消し、共発現を含む集団が識別可能になります(Figure 2, 3, 5, 6, 8, 9, 11, 12)。

例1. GFP、YFP、CFPとDsRed
Figure1. GFPとYFPは従来のスペクトラムビューアーでは激しくオーバーラップしています。
Figure2. 3レーザーNorthern LightsのスペクトラムプロットからはYFPとGFPのシグネチャーを識別可能です。
Figure3. Sp2/0細胞をGFP、YFP、CFP、DsRedでトランスフェクション(単独もしくは複数)し、Northern Lightsで測定したプロット(FSC vs SSCゲート済み)。それぞれの集団が明確に特定可能なことがわかります

例2. BFP、GFPとmCherry
Figure4. 従来のスペクトラムビューアーで得られるプロット。
Figure5. 4レーザーAuroraのスペクトラムプロットからはそれぞれのシグネチャーを識別可能。
Figure6: AB2.2マウスのES細胞を異なるFateマーカープロモーターの制御下でBFP、GFP、mCherryが安定的に発現するよう遺伝子改変しました。異なる環境下で細胞培養し、4レーザーAuroraで蛍光蛋白質解析を行い、自家蛍光差分を行った結果を示します。
サンプル提供元 Luigi Russo, Hannah L. Sladitschek and Pierre Neveu, Cell Biology & Biophysics, Neveu group, EMBL


例3. APCとAlexa Fluor® 647
Figure7. APCとAlexa Fluor®647は従来のスペクトラムビューアーでは激しくオーバーラップしています。
Figure8. 4レーザーAuroraのスペクトラムプロットからはAPCとAlexa Fluor®647のシグネチャーを識別可能です。
Figure9. 健常者の全血サンプルを染色し、溶血洗浄し4レーザーAuroraで解析をした例。NK細胞、NK T細胞サブセットとの共発現をCD56 Alexa Fluor®647とCD8 APCの組み合わせから容易に判別できます。同一サンプルをCD56 PEとCD8 APCで染色したデータと比較するとNK細胞、NK T細胞の比率が禁じすることから、Alexa Fluor®647とAPCの組み合わせは結果に影響を与えないことがわかります。


例4. Qdot 705とBV711
Figure10. Qdot 705とBV711は従来のスペクトラムビューアーでは激しくオーバーラップしています。
Figure11. 3レーザーNorthern LightsのスペクトラムプロットからはQdot 705とBV711のシグネチャーを識別可能です。
Figure12. 健常者の全血サンプルを染色、溶血洗浄しNorthern Lightsで解析をした例。CD56 BV711とCD8 Qdot 705共発現しているNK細胞サブセットとNK T細胞サブセットを識別できていることがわかります。

UVレーザー搭載で更なる領域へ (Auroraのみ)

UVレーザーと64chの検出器を搭載した5レーザーAuroraは35色を超えるマルチプレックスアッセイを実現します。
UVレーザーを搭載することでAuroraの性能が次のレベルまで引き上げられます。

35-Color Panel

35色パネルの例
ヒト末梢血単核球を染色、洗浄したものを5レーザーAuroraで測定しました。

UV Violet Blue Yellow Green Red
Specificity Fluorochrome Specificity Fluorochrome Specificity Fluorochrome Specificity Fluorochrome Specificity Fluorochrome
CD45RA BD Horizon™ BUV395 PD-1 BV421 CD86 BB515 CD335 PE CD27 APC
CD16 BD Horizon™ BUV496 CD123 Super Bright 436 CD57 FITC CD4 CF®568 CD33 Alexa Fluor 647
CD14 BD Horizon™ BUV563 CD161 eFluor 450 CD19 CF®514 CD24 PE/Dazzle 594 CD127 APC-R700
CD11c BD Horizon™ BUV661 IgD BV480 CD45 PerCP CD95 PE-Cy5 CD38 APC-eFluor 780
CD56 BD Horizon™ BUV737 CD3 BV510 CD11b PerCP-Cy5.5 CD25 PE-Cy7
CD45RO BD Horizon™ BUV805 CD20 Pacific Orange TCR γδ PerCP-eFluor 710
Dead Cells LIVE/DEAD™ Blue HLA DR BV570
CD28 BV605
CXCR3 BV650
CCR6 BV711
CXCR5 BV750
CCR7 BV785
CD8 Qdot 800

LIVE/DEAD™はThermo Fisher Scientificの商標です。
CF®はBiotiumの商標です。

t-SNE、FlowSOM解析

35色パネルをOMIQソフトウェア(www.omiq.ai)を用いt-SNE解析した結果。ダブレット除去、死細胞除去済のCD45陽性細胞を解析。t-SNE解析にあたり、スケーリングを最適化した全ドナーのデーターをGPU t-SNEアルゴリズムを用いて解析しました(上段)。矢印で示した細胞集団は、ドナー1でのみ見られました。クラスタリング解析はFlowSOMで行い、GPU t-SNEで図示しました。中段と下段はドナー1のCD3+/CD4+/CD57±/PD-1±/CD45RO+/CD95±/CD56±/CD45RA-/CCR7-/CD27-発現情報で着色したものです。

2D Dot Plots

※クリックで拡大表示できます

ブルーレーザー励起 9色パネル (Northern Lightsのみ)

スペクトルサイトメーターによって、さまざま可能性の扉が開かれます。Northern Lightsを使用することで1もしくは2レーザーという少ないレーザー数のフローサイトメーターで複雑なマルチカラー実験が可能となります。 独自の光学システムにより、解像度を犠牲にすることなく、蛍光波長がオーバーラップした色素の併用が可能となり、色素選択の柔軟性が向上します。フィルターを組み替えることなく、すべてのアプリケーションに同一の構成が使用できるため実験セットアップの時間を節約し、実験エラーの可能性を最小限に抑えます。

末梢血単核細胞(PBMC)を解凍、染色、洗浄し、1レーザーNorthern Lightnsで測定しました。このブルーレーザー励起9色色素パネルでは、単球およびいくつかのCD4陽性T細胞およびCD8陽性T細胞サブセットが容易に同定できました。 このアッセイで測定したマーカーおよび蛍光色素を以下の表に例示します。

SPECIFICITY FLUOROCHROME
CD45RA Alexa Fluor® 488
CD3 Alexa Fluor® 532
CD25 PE
CCR7 PE/Dazzle™ 594
CD4 PE-Cy™5
CD45 PerCP-Cy™5.5
CD8 BD Horizon™ BB700
CD14 PerCP-eFluor® 710
CD127 PE-Cy™7

3レーザーで24色パネル実験が可能 (Aurora / Northern Lights共通)

Aurora/Northern Lightsの光学設計とSpectroFlo®ソフトウェアのUnmix機能を組み合わせることで、幅広い蛍光色素の選択、パネルの作成、フィルターの交換を必要としない簡単な機器セットアップが可能になります。3レーザー構成のNorthern Lightsは、幅広いアプリケーションに適したマルチパラメトリックデータを提供します。ヒト末梢血中の循環細胞サブセットを同定するために設計された24色パネル中のマーカーおよび蛍光色素を以下の表に例示します。

SPECIFICITY FLUOROCHROME
CCR7 Brilliant Violet 421™
CD19 Super Bright 436
CD16 eFluor® 450
TCR γ/δ BD Horizon™ BV480
CD14 Brilliant Violet 510™
CD8 Brilliant Violet 570™
CD1c Brilliant Violet 605™
PD-1 Brilliant Violet 650™
CD56 Brilliant Violet 711™
CD4 Brilliant Violet 750™
CD28 Brilliant Violet 785™
SPECIFICITY FLUOROCHROME
CD11c BD Horizon™ BB515
CD45RA Alexa Fluor® 488
CD3 Alexa Fluor® 532
CD25 PE
IgD PE/Dazzle™ 594
CD95 PE-Cy™5
CD11b PerCP-Cy™5.5
CD38 PerCP-eFluor® 710
CD57 PE-Cy™7
SPECIFICITY FLUOROCHROME
CD27 APC
CD123 Alexa Fluor®647
CD127 BD Horizon™ APC R700
HLA DR APC/Fire™ 750

‐ 24色パネルにはオーバーラップする蛍光色素が数多く含まれています

APC/Fire™ and PE/Dazzle™はBioLegend,Inc.所有の商標です。
Brilliant Violet™ はSirigen Group Ltd.の商標です。
BD Horizon™ とBrilliant Blue (BB) はBD Biosciencesの商標です。
Alexa Fluor®、 eFluor®、Super BrightはThermo Fisher Scientificの商標です。
Cy® and CyDye®はGE Healthcareの登録商標です。

Allophycocyanin (APC) conjugates: US Patent No. 5,714,386
PE-Cy7: US Patent Number 4,542,104.
APC-Cy7: US Patent Number 5,714,386.
商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。

A New Reality: 3レーザー、24色による高解像度解析 (Aurora / Northern Lights共通)


※クリックで拡大表示できます。

プレートローダー (Aurora / Northern Lights共通)

Automatic Micro-Sampling System(AMS)

実験目的に最適化したプリセット、あるいはカスタマイズした条件設定が可能です。AMSはAurora/Northern Lightsに組み込み、シームレスに実験ワークフローを実⾏できるようにデザインされており、使い易くかつ低キャリーオーバー、低デッドボリュームな実験環境を提供します。

‐ すばやく、簡単に

  • 信頼性: 96ウェルプレートを用い、生産性を最大化
  • 簡単: プレートは数秒で交換可能

‐ 3段階のスループットモード

  • 最適化: 低キャリーオーバーからハイスループットまでの速度設定

‐ カスタマイズモード

  • カスタマイズ: アプリケーションやワークフローに合わせカスタマイズ可能

ソフトウェア (Aurora / Northern Lights共通)

SpectroFlo®はQCから解析までを簡単に実⾏出来る直感的なワークフローツールを備えております。

QC and Setup

日次QCを実行することで装置のパフォーマンスをモニター可能

Extra Tools

異なる実験のコントロールを用いたデータのUnmixや仮想フィルターの適用が可能

Library

実験テンプレート、ワークシートテンプレート、蛍光色素情報、QC情報などの追加、削除が可能

Preferences

デフォルトプロットサイズ、文字サイズとフォント、ゲート色、プリントアウト、統計テーブルなどの変更が可能

Users

ユーザー管理が可能

Acquisition

Experiment Menu
Worksheet Menu
Fluidics Menu
Plate Calibration
実験ワークフロー

Acquisitionメニューから3ステップで新たな実験を開始可能です。

Step1: Experimentの作成

蛍光色素選択、ラベル⼊⼒、チューブ、ワークシート、測定終了条件をワークフローに従い設定しExperimentを作成します。

Step2: 測定

サンプルの測定を行います

Step3: データのUnmix

リファレンスコントロールスペクトラムを用いた独⾃のUnmixウィザードでビジュアライズします。