ホモジナイザー(破砕装置)

Qsonica社 超音波ホモジナイザー最適化ガイド

プローブの選択

適切なサイズのプローブを選択する

それぞれのチップ(またはプローブ)には、推奨のサンプル量があります。
以下の表(または、ホモジナイザー総合カタログや製品ページのアクセサリータブに記載の「処理容量」)を参考にチップ(プローブ)を選択してください。
ただし、容器のサイズと形状によっては、推奨のプローブではなく、他のアクセサリーの方が適している場合もあります。また容器のサイズと形状も重要です。少量サンプル(小さく細い容器でサンプルが50mL以下)の場合は「マイクロチップ」をお薦めします。マイクロチップは破砕力が高く、短い処理時間用に最適です。マイクロチップを使用する場合は、熱が発生しやすいため、パルスモードでご使用ください。大量サンプルには、効率的に処理するために、大きな径のプローブが必要です。適切なサイズのプローブを使うことは、処理時間の短縮だけでなく、プローブの寿命を長くします。

スタンダード(交換チップ)か、ソリッドを選択する

スタンダードホーンの先はネジになっており、先端のチップが摩耗したときに、交換することができます。有機溶媒、アルコールや表面張力の低い液体を含む溶液を処理する場合、液体がチップの連結部に浸み込みます(連結部をしっかりと締め付けてあっても、この現象は起こります)。一旦、液体がチップ内に入ると、ネジは緩みやすくなり、超音波ホモジナイザーがエラーを起こす可能性があります。これらのサンプルを処理する時には、ソリッドタイプのホーンまたはプローブの利用をお薦めします。

長時間の超音波処理の場合

ナノパーティクル処理のような特定のアプリケーションでは、長時間の処理が必要となることがあります。より径の大きなプローブを使うことが、処理のスピードアップに繋がります。径の大きなプローブは、小さなプローブほど早くは摩耗しません。

温度のコントロール

超音波処理中のサンプルの冷却方法

  1. 熱の集積を少なくするために、パルスモード(ON/OFF)設定を使います。
  2. サンプルを氷上にて処理します。
  3. CoolRackを使用すると、サンプルをしっかり冷却でき、チューブが動くのを防止できます(氷上の場合、氷が融けるとチューブが動いたり沈んだりします)。

振幅と時間の設定

振幅(Amplitude)の設定最適化

実際の処理に使うサンプル量と同じ量の水を容器に入れて、テストしてみてください。超音波処理中、違う振幅設定で、どのように液体が動くか観察してください。キャビテーションが見えて、全サンプル量がよく流動している振幅の設定値を探してください。

処理開始時、泡や水はねを起こさない振幅(Amplitude)設定

少ない量ほど、より小さい振幅設定と短いパルスを必要とします。量が多い場合、処理時間をスピードアップさせるため、必要ならば100%で処理することもできます。

サンプルをいくつかの処理時間でテストし、最適化

お望みの結果が得られるよう、振幅と時間を必要に応じて調整してください。

セットアップ

プローブ(またはマイクロチップ)は適切な深さに浸す

プローブの先端を適切な深さに浸します。目安として、プローブ径の1.5倍の深さは必要です。マイクロチップなどの径の小さなものは2~3倍を目安にしてください。プローブの先端が、十分にサンプルに浸っていなければ、泡が発生します(図A)。先端が深く浸りすぎていると、サンプルが効率よく循環しません(図B)。サンプル量が1mLより少ないと、泡ができやすくなります。Amplitude 設定が高すぎるときにも、泡ができることがあります。これらの場合は、十分な破砕結果を得ることができません。図C が、正しいセットアップで、最短の処理時間で良い結果を出すことができます。
 
マイクロチップの場合、チューブにサンプル量と同じ量の水を入れ、マイクロチップを最適な深さまで入れます。
マイクロチップのチューブが入る高さの位置に油性ペンで線を引きます。チューブが氷に埋まっていても、この印を目安に、毎回、正しい深さに先端を入れることができます。

容器(ベッセル)の形状とサイズ

細い容器の方が、広い容器よりも好ましいです。チップからの超音波エネルギーは下向きに発振します。サンプルが処理されながら、液体は下に押され、多方向に移動します。容器が広すぎると、効率よく撹拌されず、サンプルの一部が端の方で処理されないままになります。また、プローブ先端は、絶対に容器の側面や底に触れないようにしてください


製品情報は以下のリンクからご確認ください。