製品紹介コールドチェーン
生細胞の保存には凍結保存が用いられています。
細胞を凍結保存することにより、コンタミネーションによる細胞のロスや、継代細胞株の変異を最小限に抑え、また、細胞株の形質転換を防いでいます。
細胞を適切に凍結保存するためには、標準化された再現可能なプロトコルに従わなければなりません。
特定の細胞株の場合、融解時に最大の生存率を得るために、最適化が必要となる場合があります。
凍結保存される動物細胞には、不死化細胞株、組織から分離された初代細胞、および幹細胞などがあります。
凍結保存を行う際は、細胞内の氷晶形成による悪影響を避けるため、凍結方法と材料を考慮する必要があります。
細胞の凍結には、徐々に温度を下げるよう制御できる超低温プログラムフリーザーや-80°Cのフリーザーのほか、ドライアイスを用いた凍結速度制御が可能な容器が使用されます。
アルコール式容器や発泡スチロールボックスなどの一般的な方法では、すべての凍結チューブやバイアルに対し均一な凍結速度が得られず、再現性が得られない場合があります。
従来、凍結速度を制御する標準的な方法としてプログラムフリーザーなどが用いられていました。しかし、プログラムフリーザーはコストが高く、他の凍結方法を検討する研究者もいます。
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CoolCell 1mL FX 販売準備中 |
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CoolCell FTS30 | CoolCell SV2, CoolCell SV10 |
CoolCell®アルコールフリー細胞凍結コンテナーは、一貫性と再現性のある-1°C/分の冷却速度を実現します。
熱伝導性材料を使用した独自の製品技術によって熱除去率が調整されており、すべてのサンプルにおいて一貫性を確保しています。
CoolCellは再現可能な細胞凍結保存方法として、プログラムフリーザーまたはドライアイスロッカーに代わる費用対効果の高い製品です。
CoolCellを-80°Cのフリーザーに入れると、内部のすべての凍結チューブ(バイアル)は-1°C /分の速度で冷却されます。
CoolCellにはイソプロパノールなどの液体は不要です。特殊設計と材料により冷却速度を調整し、すべてのチューブ(バイアル)を均一で再現可能な状態で凍結します。
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Nature Protocolsに最近掲載された記事において、感受性の高い幹細胞の保存、保管、および回復においてBioCisionのCoolCell®アルコールフリー細胞凍結コンテナーの使用が推奨されています。[2] [3] 。
多数の研究者もCoolCellを推奨しており、最近では英国のお客様に、「CoolCellで冷却を制御することで、凍結プロセスの再現性が大幅に向上し、融解後の細胞生存率や増殖も向上している」と評価されています。
さらに、ATCCなどの組織は、iPSC幹細胞処理ガイドにCoolCellを取り入れることを推奨しています。[4]
ATCCの製品ラインビジネスマネージャーであるKevin Grady氏は、「CoolCellはそのシンプルさと使いやすさにおいて優れている。この容器による細胞凍結は、高い再現性を持ち、かつ、ばらつきの少ない標準化された細胞凍結手法である」と述べています。
標準化された凍結保存技術は、細胞療法の開発で重要な側面でもあります。培養中の細胞増殖および/または操作の後、一部の細胞療法製品は、患者に投与する直前まで液体窒素に保存されるためです。
また最近、細胞治療分野での本製品の使用例が、Journal of Autoimmunityに掲載されました。重症筋無力症におけるT細胞の役割の研究に、CoolCellが使用されました。CoolCellは、サンプルを採取する間、患者と健康なドナーの両方の血液から分離した細胞を凍結し、長期保存するために使用されました。
さらに、フランスの再生・細胞医療関連企業であるTxCell(Sangamoの子会社)は、重度の難治性クローン病患者の治療のための、自己抗原特異的Treg (Ag-Treg)細胞をベースとした免疫療法製品の製造に対し、CoolCellを取り入れました。
研究者により、CoolCellは融解後の細胞生存率においてプログラムフリーザーに匹敵し、高価な専用のフリーザーに比べてコスト削減が可能で、かつ拡張性があることが実証されました。[5]
細胞の凍結保存はさまざまな方法で行うことができますが、性能を下げることなく一貫性、再現性、最小限の設置面積、低コストを実現する方法は1つだけです。 CoolCellコンテナーはプログラムフリーザーの代替品として、費用対効果が高く、効果的な凍結保存のための製品であることが立証されています。
【参考文献】
[1] Shu Z, Kang X, Chen H, Zhou X, Purtteman J, Yadock D, Heimfeld S, and Gao Development of a Reliable, Low-cost, Controlled Cooling Rate Instrument for the Cryopreservation of Hematopoietic Stem Cells. Cytotherapy. 2010.
[2] Shi Y, Kirwan P, Livesey FJ. “Directed differentiation of human pluripotent stem cells to cerebral cortex neurons and neural networks.” Nature Protocols. 2012.
[3] Menendez L, Kulik MJ, Page AT, Park SS, Lauderdale JD, Cunningham ML, Dalton S. “Directed differentiation of human pluripotent cells to neural crest stem cells.” Nature Protocols. 2013.
[4] ATCC iPSC Guide
[5] Foussat A, R. R., Pottier E, Schyver B, Thompson ML, Ehrhardt RO. Use of a low-cost passive-freezing device in the effective cryopreservation and recovery of human regulatory T-cells for use in cell therapy. BioProcess International March Supplement: Cell Therapies, Commercialization, Compliance, Scale-up and Biopreservation (2014).
製品についての詳しい情報は以下の製品情報からご確認ください。