Cytek® Aurora Evo フローサイトメーター
フルスペクトラルフローサイトメトリーの 新スタンダード

Cytek® Aurora Evoフローサイトメーター

Cytek® Biosciencesは、Cytek® Aurora Evoフローサイトメーターを新たにご紹介します。Cytek® AuroraおよびCytek® Northern Lightsの実績ある技術を基盤に構築されたCytek® Aurora Evoシステムは、卓越した分解能、優れた多色解析性能、アッセイに対する高い柔軟性により、研究のブレークスルーをさらに推進します。
 
本システムは、Cytek® Auroraで実証された高い信頼性と再現性を受け継ぎ、ハイスループット性能と自動化機能
を新たに搭載しました。標準化された装置設定とハードウェアのハーモナイゼ―ションにより、操作時間を最小限に抑え、再現性の高いデータを効率的に取得できます。これにより、データ解析や新たな知見の創出により多くの時間を割けるようになります。

Cytek® はスペクトルフローサイトメトリーのパイオニアとして、独自の Full Spectrum Profiling(FSP)技術でこの分野を牽引し続けています。Cytek® Aurora Evoは、FSP 技術による優れた蛍光検出性能を継承し、進化する研究現場のニーズに応える新機能を搭載しています。

新搭載機能:

チューブおよびプレート測定において最大200 μL/min のサンプル流量まで高分解能を維持するハイスループット性能
従来の標準化された装置セットアップとハーモナイゼーションにより、システム・設置場所・測定時期を問わず再現性を確保

 
自動化された起動・シャットダウンにより、ワークフローを合理化し、ラボ効率を向上
 

 
拡張された散乱光検出ダイナミックレンジにより、微小粒子から大型細胞までを同一システムで識別
 

 

① エレクトロニクス

低ノイズ設計で微弱シグナルを高分解能で検出
起動・シャットダウンを自動化

② レーザー

フラットトップのレーザー照射により、各流量で一貫したデータ取得を実現

③ 流路系

ビルトイン式フローメーターを搭載し、ビーズ不要で絶対細胞数を測定
安定した吸引送液によりサンプルに応じた柔軟なキャリア選択が可能

④ 検出器

高効率な光検出で、高品質な多次元データを取得
広いダイナミックレンジの散乱光検出により、微小粒子から大型細胞まで識別可能

⑤ ローダー

各種キャリアに対応したサンプルローダーを内蔵
40本チューブラック
96ウェルプレート
96ウェルディープウェルプレート
384ウェルプレート

ソフトウェア

スペクトラルアンミキシングと従来型のコンペンセーションが可能な個別モードを搭載
Autofluorescence Explorerによる 自家蛍光の検出・抽出を支援するガイド付きワークフロー
21 CFR Part 11 に準拠した包括的な新ツール

 

FSPスペクトラルワークフロー

パネル設計からデータ解析まで、
スムーズかつシンプルなワークフローを実現

パネルデザイン Cytek® Cloudに含まれるSpectroPanelアルゴリズムにより、パネル設計を自動化・最適化設計済みパネルをCytek® Aurora Evoシステム用のExperimentテンプレートに変換し利用可能
品質管理・装置設定 最適済みかつ即使用可能なCytekAssaySetting本設定による高品質な多色データの取得、装置間におけるデータ再現性の実現
単染色コントロールの
測定
パネル内の各蛍光色素のスペクトラルシグネチャを取得し、リファレンスコントロールとして保存、共有、再利用が可能
フルスペクトラル
アンミキシング
SpectroFloソフトウェアのガイド付きワークフローで、ライブアンミキシング、データQC、自家蛍光補正を実行
アンミキシング済み
データの取得・解析
多色データをリアルタイムで取得し、アンミキシングを評価後、SpectroFloソフトウェアで直接解析

FSP技術がもたらす価値

Cytek® のFSP技術はフローサイトメトリー解析を刷新し、他に類を見ない柔軟性、分解能、データの品質を提供します。従来のフィルターベースシステムとは異なり、FSP技術ではレーザー構成に基づいた実験設計が可能なため、煩雑なフィルター切り替えは不要です。さらに、低ノイズエレクトロニクスと高効率な検出器は卓越したシグナル分解能をもたらし、弱陽性集団の検出能力を向上させます。自家蛍光の補正機能や高次元アッセイへの対応により、FSP技術は多項目解析を安心して行なえる環境を提供し、さらなる発見と革新の可能性を広げます。

各サンプルからより多くの情報を取得
再現性に優れた高品質データを取得し、貴重なサンプルからより深い洞察を引き出す

自家蛍光補正による正確な測定
ガイド付きワークフローで複雑なサンプルも自家蛍光補正が容易

1台の装置で柔軟な測定が可能
パネル設計の選択肢が広がり、1台の装置で微小粒子から大型細胞まで幅広い解析に対応
シンプルなアッセイから複雑な高次元パネルまで、研究目的に応じた柔軟な運用が可能

 

高分解能・ハイスループット

各流量で一貫した分解能

Cytek® Aurora Evoシステムは、独自の光学およびエレクトロニクス設計により、高感度かつ高分解能を実現して
います。優れたシグナル/ノイズ比は、Low(15 μL/min)、Medium(30 μL/min)、High(60 μL/min)、Ultra(100 μL/min)、Max(200 μL/min)の各流量で一貫して維持されます。そのため、ハイスループット環境下でも正確で再現性の高い細胞解析データを安定して取得可能です。

図1

図1:SPHERO Rainbow キャリブレーション粒子(Spherotech社製, 8ピーク)の取得結果

Cytek® Aurora Evo 5 レーザーシステムのLow (15 μL/min), Ultra (100 μL/min), Max (200 μL/min) の条件下で SPHERO™ Rainbowキャリブレーション粒子を取得しました。各レーザーの第3検出器から得られたデータを使用し、8つのピークがすべて一貫して分離されていることが示されています。すべての流量においてピークプロファイルがほぼ同一であることから、厳しいハイスループット環境下において
もCytek® Aurora Evoシステムは安定した性能を発揮し、サンプル取得速度によらず再現性の高いデータを提供します。

 

図2

図2:希少細胞集団の検出におけるハイスループット測定の有用性

同一の細胞サンプルを用い、Medium(30 μL/min)およびMax(200 μL/min)の条件下で、それぞれ500万イベント以上を取得しました。全イベントの約0.01%に相当する希少細胞集団CD8⁺サイトメガロウイルス(CMV)テトラマー陽性細胞は、いずれの流量でも同等の分解能で安定して検出されました。Maxの流量においても高い分解能と感度が維持されるため、希少イベント検出の信頼性を損なうことなく、取得時間を短縮できます。

 

各流量で一貫した高次元データを実現

図3A

図3B

図3:Cytek® Aurora Evo 5レーザーシステムによる、OMIP-109掲載 Cytek 45 カラー多色解析パネルの測定結果

Medium(30 μL/min)、High(60 μL/min)、Ultra(100 μL/min)、Max(200 μL/min)の各流量で得られた結果は、スピードと精度の両立が求められる大規模かつハイパラメータの免疫プロファイリング研究において、本システムが有用であることを示しています。A) ヒト末梢血単核球(PBMC)由来T細胞サブセットの発現パターンは、各流量条件で同等の分解能が得られていることを示しています。B) 主なサブセットの頻度は一貫して維持されていることから、サンプル処理量を上げても、主要な対象集団の定量性が損なわれないことを示しています。

 

再現性のあるデータ

装置間で一貫した分解能

Cytek® Aurora Evoシステムは、標準化とハーモナイゼーションを考慮して設計されています。蛍光性能の一貫性は、特許取得済みの光学設計と、製造工程における全構成要素および手順に対する厳格な仕様管理によって保証されています。さらに、装置設定の標準化を実現するため、Cytek®は最適化済みの取得設定(CytekAssaySetting)と自動化された Daily QCを導入しています。

図4A

図3B

図4:Cytek® Aurora Evo 5レーザーシステムによる、OMIP-109掲載 Cytek 45 カラー多色解析パネルの測定結果

掲載内容に基づき、3つのデータセットでT細胞の下流サブセットをゲーティングしました。 その結果、Cytek®Aurora Evoシステムの高い再現性とハーモナイゼーションが示されました。
A)SpectroFloソフトウェアで手動ゲーティングを実施した結果、3台のシステム間で希少T細胞サブセットの分解能および集団分布が同一であることが確認されました。すべての表示データはスケーリングが統一されています。
B)FlowSOMによるメタクラスター(MC)解析を行い、比較を容易にするために、教師なしUMAPプロット(Uniform ManifoldApproximation and Projection Plots)で可視化しました。CD4 T細胞のUMAP解析では、マーカー発現およびクラスター同一性が3台のCytek® Aurora Evoシステム間で一貫していることが確認されました。

 

機種間でアッセイの移行が可能

Cytek® Aurora Evo、Cytek® Aurora、Cytek® Aurora CSにおける各プラットフォーム間のデータ再現性

図5

図5:Cytek 25-Color Immunoprofiling Assayによる、Cytek® Aurora シリーズ3機種におけるヒトPBMC測定結果

分離対象となる6つの細胞集団の頻度は、各プラットフォーム間で同一でした。この結果の一貫性により、アッセイのプラットフォーム間移行を確実に行えます。

 

自家蛍光補正

FSP技術を搭載したCytek® Aurora Evoシステムは、高い自家蛍光を有するサンプルから自家蛍光成分を補正することで、データの分解能をさらに向上させます。腫瘍サンプルのように自家蛍光が高く、不均一な自家蛍光集団を含むサンプルはアッセイを複雑にします。このような難易度の高い解析に対しては、SpectroFloソフトウェアの自家蛍光補正機能とAutofluorescence Explorer機能を組み合わせることで、これまでにない分解能が得られます。

図6

図 6:SpectroFloソフトウェアは、多様な自家蛍光特性のサンプルにも対応する柔軟かつ強力なツールを備えています。


 

細胞外小胞解析向けに強化された Enhanced Small Particle Detection

Cytek® Aurora Evoシステムは、広いダイナミックレンジを備えた2つの高感度側方散乱(SSC)検出器を搭載しています。1つは488 nmレーザー励起のSSC-B検出器、もう1つは405 nmレーザー励起のSSC検出器です。SSC検出器は70 nmサイズのポリスチレンビーズまで分解能を持つため、ウイルス、細菌、細胞外小胞、ナノ粒子、その他の細胞内構成要素といった新たな解析アプリケーションをAurora Evoシステムで実現できます。

 

オートメーション機能

Cytek® Aurora Evoシステムは自動化機能の強化により、利用者が結果に専念できる環境を提供します。内蔵型プレートローダーは、40本チューブラック、96ウェルプレート、96ウェルディープウェルプレート、384ウェルプレートなど、多様なキャリアからのサンプル取得を効率化します。柔軟性を重視した設計で、低キャリーオーバーとハイスループットに対応する複数のユーザーモードを搭載し、各アッセイの要件に応じてカスタマイズが可能です。
また、スケジュール設定による自動起動機能により、必要なタイミングで装置が使用可能な状態になります。自動シャットダウン機能も備えており、シャットダウンを開始した後は他の作業に集中できるため、ラボ全体の作業効率向上に貢献します。

 

アッセイの柔軟性

FSP技術によって可能となった幅広いアプリケーションについて、2,800報以上の査読付き論文が公開されています。主な分野は以下の通りです。

免疫腫瘍学
感染症

海洋生物学
炎症

自己免疫
その他多数

 

Cytek® Cloud

Full Spectrum Viewer
装置の構成に基づいた新しい蛍光色素とその組み合わせの探索に活用いただけます。

Panel Builder
パネル設計に必要なすべての機能をシンプルかつ整理されたインターフェースに集約しています。パネルを
手動で設計することも、Cytek®の先進的な自動パネル設計アルゴリズム「SpectroPanel」を使用することもできます。

Experiment Builder
SpectroFloで時間・場所を問わずExperimentを作成できるため、装置上での作業時間を短縮できます。