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anvajo R-300 ユーザーインタビュー Vol.2
~Dr Juliane Hannemann ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センター(UKE)~

fluidlab R-300 ユーザーインタビュー
Dr Juliane Hannemann ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センター(UKE)

※本資料はanvajo社が作成した資料(英文)を当社が日本語に翻訳したものです。本ページ下部のリンクボタンから、原文のPDFファイルをダウンロードすることができます。日本語訳に当たっては可能な限り読みやすいよう、一部内容を簡素化している場合がございます。英語原文と日本語訳の内容に相違がある場合は英語原文の内容が優先いたします。必ず英語原文と併せてご覧ください。

Juliane Hannemann博士は生物学の博士号を取得しており、UKEで臨床薬理学・毒性学研究所のグループリーダーを務めています。
主な研究分野は分子生物学、腫瘍生物学、慢性疾患の分子メカニズムです。このインタビューでは、Hannemann博士にご自身の研究とfluidlab R-300の役割についてお話しいただきます。

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anvajo社(以下、anvajo):
インタビューのお時間をいただきありがとうございます。まず初めに、当社をどのようにしてお知りになりましたか?

Dr Hannemann:
営業担当者からEメールで連絡がありました。事前に私たちの研究について情報収集し、個人的に連絡してきたことに好感を持ちました。実際にセルカウンターを探していたので、fluidlabをテストする良い機会だと思いました。

anvajo:
研究所でのお仕事と現在のプロジェクトについて、簡単に教えてください。

Dr Hannemann:
臨床薬理学・毒性学研究所のグループリーダーを務めています。腫瘍や心血管疾患などの慢性疾患につながるメカニズムを研究しています。また、高地で働く人の肺高血圧症の発症を研究するプロジェクトもあります。チリの同僚と協力し、海抜0m付近で生活し、毎週鉱山へ登る採掘・採石労働者を対象としています。労働者の中には長年にわたり肺高血圧症が発症する人がいる一方、発症しない人もいます。事前に肺高血圧症を特定できるかどうか、また発症する人を予想できるバイオマーカーが存在するかどうかを調査しています。

anvajo:
そのようなプロジェクトでは、例えばチリの同僚のように、医療機関と協力したりするのでしょうか?

Dr Hannemann:
このプロジェクトでは、チリ北部イキケにあるアルトゥーロプラット大学の研究グループと協力しています。この研究グループは、地元の銅採掘会社とコンタクトを取っています。採掘労働者が鉱山に入る前や採掘作業の間に研究のための血液サンプルを採取しています。またドイツ国内外の医療機関と協力しています。

anvajo:
血液中の細胞を観察するのでしょうか?

Dr Hannemann:
そうです。数値の増加により肺高血圧症が発症するリスクがあるかどうかを予想できるバイオマーカーはすでにいくつか確認されています。最初に鉱山に入る時に血液中のバイオマーカーを測定します。このようにして、発症する人としない人の兆候が事前に分かります。

anvajo:
その目的にfluidlabR-300を使用されたのでしょうか?

Dr Hannemann:
いいえ、採掘労働者の血液サンプルは現場の医師が研究室で採取し、分析のため私たちの元へ送られます。臨床薬理学においては、常に基礎から臨床までを一体的に研究しようと心がけています。常にクリニカル・クエスチョンを持っており、その原因を理解するために、一歩踏み込んで考えるようにします。このためには、動物モデルか細胞培養モデルかどちらかを使うことになりますので、そこでfluidlabを使用します。私たちは様々な細胞を、複数の条件下で培養してその変化を研究しています。

anvajo:
現在はどのような細胞でfluidlab R-300を使用しているのでしょうか?

Dr Hannemann:
5種類の乳癌の細胞株と、1種類の正常な細胞株をを使用してプロジェクトに取り組んでいます。低酸素、つまり酸欠の原因を調査しています。腫瘍細胞はある一定のサイズまでしか成長しません。そして、酸素供給のため、血管系に付着する必要があります。問題は、これらの細胞で何が起こるのか、そしてこのプロセスに関与することにメリットがあるかどうかです。この場合、空気中の酸素量を調整できる低酸素施設を使って、酸素量を21%から1%に低下させると細胞にどう影響するかを観察します。成長速度は落ちるのか?ある遺伝子がONになり、他の遺伝子はOFFになるように、遺伝的同一性に変化が起こるのか?これらを通常の酸素条件下で観察した場合と比較しました。これらの実験で、一定条件下で細胞を観察するためにfluidlabを使用しました。比較を行うため、各条件において、個々のウェルに同じ数の細胞を入れなければなりません。この点で、ポケットサイズのfluidlabを使用できてよかったと思います。

anvajo:
fluidlabを使用する前は、どのように各ウェルの細胞数が同じであることを確認していたのでしょうか?

Dr Klapproth:
おそらく多くの人がやっているように、ノイバウエル血球計算盤を使っての手作業です。非常にフラストレーションを感じていました。

anvajo:
fluidlab R-300のセルカウント機能を主に使用されているのでしょうか?他の機能も使用されますか?

Dr Hannemann:
fluidlabを使って生存率も測定しています。染色フリーで細胞数と生存率を簡単に測定し、細胞の健康状態を評価できるのは素晴らしい特長です。

anvajo:
fluidlabはコンパクトでポータブル、染色フリーで生存率測定ができることをご紹介くださいました。他に気にっているところはありますか?

Dr Hannemann:
本当に良いところは直観的に操作できることです。使い方が簡単なので、新しく研究室に入った人でも使用できます。また、サンプルを複数回測定した場合でも再現性の高い結果が得られます。

anvajo:
素晴らしいインタビューと研究についてのお話し、ありがとうございました!


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