大量培養・蛋白質発現

ローラーボトルの数10倍の収量を実現!~高密度細胞培養システム BelloCell

ESCO Bioengineering社 高密度培養システム Bellocellは、今までに類を見ない画期的なディスクベッドとエアレーションシステムにより、高密度培養を極めて簡単に実現します。
モノクローナル抗体や組換え蛋白質、膜蛋白質、ウイルスなどの生産スケールへの移行、大量スケールへの移行をご検討の方に最適な商品です。


バッチ培養モデル

灌流培養(パフュージョン)モデル

 

高密度培養を実現するBelloCellシステムの動作ロジック

 

細胞はマトリックス内のディスクベッドにトラップされており、BelloCellボトルが縮むと培地がマトリックスを通じボトル上部まで持ち上げられます。
この間に細胞に栄養分が供給され、代謝産物(CO₂)は簡単に排出されます。
BelloStageのプラットフォームが下降するとボトルが伸び培地液面が下がります。するとマトリックスは空気にさらされ、エアレーションが行われます。
細胞はマトリックス内で保護されて、シェアストレスが低く、十分に酸素が供給される環境で培養され、泡立つこともありません。

簡単かつ高収量!

  • 高密度細胞培養システムBelloCellはディスポーザブルで、滅菌梱包されており、すぐに使用を開始することができ、初期の準備がほとんど不要です。特別なトレーニングもほとんど必要がありません。
  • 1ボトル内のマトリックス全ての表面積は15,600cm²となります。1台のBelloStageシステムには4本のボトルをセットでき、1ボトルあたり1~2x10^9個もの細胞が培養可能です。通常、標準タイプのCO₂インキュベーター内に設置して培養を行います。
  • 多数のスピンナーフラスコやローラーボトル、何百個ものTフラスコを使用する必要がなく、ミリグラムからグラム単位の蛋白質、モノクローナル抗体、また10¹ ¹~10¹ ²pfuのウイルス、細胞全体や細胞コンポーネントが生産可能になりました。
  • 操作方法と培地交換プロトコルは、組織培養フラスコやローラーボトルでの手法と近似しています。BelloCell-500ディスポーザブル培養ボトル(1L)で、ローラーボトル数10本、組織培養フラスコ数100個分の収量を実現します。
  • 使用者の経験レベルを問うことなしに、Tフラスコを用いたオリジナルプロトコルに沿って実験が行なえるよう特別に設計されています。
  • 細胞は、マトリックスベッドに捕捉され維持されます。そのため培地交換や産生物質の回収を簡易化できます。
  • 開梱すればすぐに使用できます。全ての部品が一つに梱包されており、機器設置と実験開始に5分と必要としません。
Tフラスコ
スピンナーフラスコ
/ マイクロキャリアー
ローラーボトル
BelloCell
条件
T-25フラスコ
5ml培地
250mlフラスコ
125ml培地/0.375g Cytodex 1
2000cm³ボトル
850cm²/200ml培地
500mlボトル
300ml培地/72cm³キャリアー
培養表面積(cm²)
25
2250
850
8640
培養方式
セミバッチ
セミバッチ
セミバッチ
セミバッチ
培地
Plus-VeroIII
DMAF/Plus-VeroIII
DMAF
DMAF
細胞密度(Cell/ml)
8×10⁵
2.5×10⁶/6.96×10⁵
1.48×10⁶
1.5×10⁷
総細胞数 4×10⁶ 3.13×10⁸/8.7×10⁷ 2.96×10⁸ 4.4×10⁹
ウイルス生産用培地
Plus-VeroIII
MFKB/Plus-VeroIII
MFKB
MFKB
感染多重度(MOI)
0.1
0.1
0.1
0.1
ウイルス生産量(pfu)
5×10⁸
2.5×10¹º/1.91×10¹º
5.8×10¹º
1.07×10¹²
Vero細胞の増殖と日本脳炎ウイルス(JEV)生産における培養方法の比較

BelloCellシステムで実績のある細胞種(一例):
CHO , BHK-21, OKT 3, Sf-9, Sf-21, Hi-5, HeLa,VERO, MDCK, HEK293, Huh 7 など

【BelloCellシステムを用いた各種細胞培養のアプリケーション集】

蛋白質の高発現と培地量削減を実現するボトルホールディング法

ボトルを伸ばした状態で一定時間保持するとマトリックス内の細胞が培地にさらされなくなります。この時間を延長する方法(ボトルホールディング方法)を用いて細胞の過増殖を抑制したり、蛋白の発現を著しく増加させることができます。簡単で効率よく行なえ、蛋白濃度を上げたり、使用培地量を減らすことが可能になりました。

ボトルホールディング方法を用いると、容易に蛋白質発現量を上げることが出来た。一般的に、この方法を用いない場合に比べ、この方法を用いると1.5~2倍蛋白質濃度を高められる。
BelloCellシステムでは効率的に培地を使用できる。一般的なスピンナーフラスコを用いた、35日間の細胞培養実験では、同じ産生量の基で、スピンナーの方がBelloCellボトルに比べ、21.1Lよりも多くの培地を必要とする