スクリーニング
COP、それはマイクロプレートの新基準
米国Aurora Microplates社のAurora マイクロプレートは、100%シクロオレフィン樹脂(COP:Cyclo-OlefinPolymer)から作られています。DVDピックアップレンズやファインダープリズムなどにも使用されるCOPは、極めて優れた光学特性と、樹脂素材として非常に高い形状安定性を持ち合わせています。
COPには、ポリスチレンやポリプロピレンといった従来マイクロプレートに使用されている樹脂素材と比べると、幾つもの明確なアドバンテージがあります。近年需要が高まりつつある、非接触リキッドハンドリングシステムによる超微量分注や、384・1536・3456ウェルといった実験スケールのダウンサイジング、高度なラボオートメーションなどに対応するためには、マイクロプレートの品質が実験の精度を左右することは言うまでもありません。
米国Aurora Microplates社は、最高品質のシクロオレフィン樹脂を独占的に用いて、業界でも最も厳格な製造・品質管理をパスした高性能・高品質なマイクロプレートを皆様へと供給いたします。
自動化に適した、非常に高い形状安定性
384・1536・3456穴のような高密度マイクロプレートにおいて、もっとも重要な要素の一つとして形状安定性が挙げられます。COPは高度なインジェクション成型技術を用いており、従来のポリスチレンやポリプロピレン製プレートと比較して、下記のようなアドバンテージがあります。特に近年、注目を集めているEcho(LABCYTE社)やATS-100(EDC BIOSYSTEMS社)などの超音波ディスペンサーに求められる高い精度要求をクリアします。
化学的・生物学的特性
COPは、DMSO、アルコール、アルデヒド、エーテルなどのほとんどの一般的な有機溶媒への耐性があります。影響を受けやすいのは、オクタノールやベンゼンといった有機溶媒です。COPは生物学的に不活性かつ非極性です。生体分子の吸着性は非常に低く、アルブミンやIgGといった典型的な蛋白質においては、数アトグラム(10-18)/mgとほとんど吸着しません。
またCOPは、素材から生じる蛋白質分解酵素や酵素活性がありません。蛋白質の吸着や細胞培養用として、プラズマガスによる高接着TC処理プレートをご提供します。ポリDリシン、コラーゲン、ストレプトアビジンなど、他のコーティング処理もご選択いただけます。
優れた光学特性
Auroraイメージング用プレートは、UV、可視、近赤外線波長の高い光透過性を提供します。光透過性は、ポリスチレンなどの他のプラスチックよりも優れており、実験結果の向上をもたらします。
すべての透明フィルムボトムプレートは、230nm~近赤外線レンジまでの波長をサポートしており、DNA、核酸、蛋白の260nm・280nmでのUV吸光測定に適しています。これは、高価で破損しやすいガラス底プレートの理想的な代替品となります。また、COPは光学的に不活性です。自家蛍光が極めて低く、その特性は高純度石英ガラスに酷似しています。これによりシステム感度を向上させ、ダイナミックレンジ増大に貢献します。
Auroraプレートと従来のポリスチレン製プレートのイメージング比較
サンプル蒸発を低減するエッジ効果低減ウェル
マイクロプレートを用いた各種実験において、避けられない最大の問題点がサンプルの蒸発です。エッジ効果と呼ばれるこの特性は、プレートの外周ウェルの蒸発量が多く見られるのが特徴で、特に384ウェルや1536、3456ウェルといった高密度プレートにおけるサンプル蒸発は実験の精度や再現性に大きな影響を与える可能性があります。
米国Aurora Microplates社では、独自のエッジ効果低減ウェル(Evaporation Control Wells)を採用することにより、このサンプル蒸発の問題を大きく改善することに成功しました。蒸発低減ウェルと蒸発低減デザインのリッド構造がエッジ効果を緩衝します。蒸発低減ウェルに水を分注することで、さらにエッジ効果を低減することが可能です。
エッジ効果低減ウェルの構造
DMSO:水(75:25)による蒸発低減効果
エッジ効果低減ウェル付きの1536ウェルプレートと専用プレート リッドを使用し、
DMSO希釈溶液の蒸発量を蛍光にて測定した結果。
上図は10日後の蒸発量を示したもの。ほとんどサンプルの蒸発が無いのが見て取れる。